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【初心者向け】Googleアナリティクス4(GA4)のパラメータとは?設定方法からレポート確認まで徹底解説!

WEB広告において、ユーザーの流入経路を正しく把握するということは、成果を出す上で非常に重要です。そのカギを握るのが、Googleアナリティクス4(GA4)における「パラメータ」の設定です。本記事では、GA4の基礎からパラメータの設定・レポートの確認方法まで解説します。
*(本記事は2025年8月8日に執筆しているので、画面の操作手順が変わっている可能性がございます)

 

・GA4の概要

そもそもGA4とは何か、ご存じない方も多いかもしれません。GA4は、Googleが提供するWEBサイト解析ツールのことであり、ユーザーによるクリック、スクロール、購入といった様々な行動を柔軟に計測することができます。また、WEBサイトとアプリを横断したユーザー行動の可視化にも対応しています。WEB広告の運用においては、全ての広告が短期的・直接的な成果につながるとは限らないため、広告経由だけでなくWEBサイト全体の数値が向上しているかどうかという視点で解析を行うことが重要です。

 

・パラメータとは?GA4における役割を解説

GA4における「パラメータ」とは、WEBサイト訪問者の流入経路を確認するためにURLの末尾に付与する文字列のことです。URLの末尾に「?」を付け、その後ろにパラメータを設定していくことにより、GA4上での媒体別の表示回数や、ユーザーが来た経路毎のアクセス数などの詳細なデータを確認できるようになります。

パラメータの設定は、運用者が分析したい情報に応じて、ある程度自由にカスタマイズできます。組織によっては細かく分類する場合もあれば、大まかに分類するだけというケースもあります。基本的なルールや定型は存在しますが、必ずしもすべてを統一する必要はなく、自社の運用方針に合わせて柔軟に設計することが可能です。

 

・GA4のutmパラメータの種類と役割

utmパラメータとは、Googleアナリティクス4(GA4)でユーザーが「どこから、どのような方法で」WEBサイトに訪れたのかを把握するために付与する追跡用の情報です。
これらのパラメータを適切に設定することで、流入経路や広告効果を正確に分析できます。
utmパラメータには、必須項目が3種類、任意項目が2種類あり、以下の5つが使用されます。

パラメータ GA4上での表示 必要性 役割
utm_source 参照元 必須 サイト名や媒体名(例:google、yahoo)
utm_medium メディア 必須 流入の手段(例:cpc、display)
utm_campaign キャンペーン 必須 施策名やプロモーションコード
utm_term キーワード 任意 広告グループや検索キーワード
utm_content コンテンツ 任意 主に広告単位で区別

 

・各パラメータの詳細

1. utm_source(参照元)【必須】

ユーザーがどの媒体・サービスからWEBサイトにアクセスしてきたかを示します。GA4上では「参照元」と表示されます。

utm_source=google → Googleからの流入
utm_source=facebook → Facebokからの流入
utm_source=newsletter → メルマガからの流入
utm_source=qr → オフラインのQRコードからの流入

 

2. utm_medium(メディア)【必須】

どのような手段・経路でユーザーが訪れたかを示す項目です。GA4では「メディア」と表示され、広告や自然流入などを区別するのに使用します。

utm_medium=cpc → 広告(クリック課金型)経由
utm_medium=organic → 自然検索からの流入
utm_medium=display → ディスプレイ広告
utm_medium=social → SNSからの自然流入
utm_medium=video → YouTube動画広告など

設定例(インスタグラム広告経由):
https://○○.com?utm_source=instagram&utm_medium=cpc
*(パラメータをつなぐ場合は「&」を使用します。)

 

3.utm_campaign(キャンペーン)【必須】

どのキャンペーンや販促施策からの流入かを示します。GA4では「キャンペーン名」として表示されます。
例えば、いつ、どの地域に当てる施策なのか、どういう訴求軸なのかなどをキャンペーン名にしておくと分かりやすいです。

utm_campaign=tokyo_2025 → 2025年の東京向け施策
utm_campaign=syukuhaku_morning → 朝食付き宿泊プラン

設定例(インスタグラム広告の朝食付き宿泊プラン経由):
https://○○.com?utm_source=instagram&utm_medium=cpc&utm_campaign=syukuhaku_morning

 

4. utm_term(キーワード)【任意】

主に検索広告で使用され、広告グループやキーワードを指定します。GA4上では「キーワード」として表示されます。

utm_term=結婚式 → 広告グループ:結婚式
utm_term=東京%宿泊 → キーワード:東京 宿泊(※スペースは%などで区切る)

設定例(キーワードが「東京 宿泊」のGoogleリスティング広告経由):
https://○○.com?utm_source=google&utm_medium=cpc&utm_term=東京%宿泊

 

5. utm_content(コンテンツ)【任意】

同一の広告内で異なるリンクやクリエイティブを識別する際に使用します。GA4上では「広告コンテンツ」と表示されます。

utm_content=banner_a → バナー広告A
utm_content=movie_b → 動画広告B
utm_content=carousel_a → カルーセルA

設定例(インスタグラム広告のカルーセルA経由):
https://○○.com?utm_source=instagram&utm_medium=cpc&utm_content=carousel_a

 

・GA4のパラメータ生成方法

GA4で使用するutmパラメータの生成方法には、手動で作成する方法と自動生成ツールを活用する方法の2つがあります。
ここでは、それぞれの方法について具体的に解説していきます。

 

■手動でパラメータを作成する場合

手動で作成する際は、既存のURLの末尾に「?」を付け、各パラメータを「&」で区切って追加します。必要なパラメータのみを記載すればよく、前述のutmルールに従って入力すればOKです。

 

■自動で生成する場合

自動生成には以下の2つの方法があります。

① Campaign URL Builder(Google公式ツール)

Googleが提供する無料の生成ツールであり、フォームに必要項目を入力するだけでURLが自動生成されます。URLと、sauceやmediumなどの必要項目を入力するだけで生成でき、初めての方でも直感的に使いやすいため便利です。

② Excelを使って作成

Excelに関数を組み込んだシートを使えば、複数のパラメータ付きURLを一括で自動生成できます。特に広告の本数が多い場合や、リンクを複数作成・管理する必要がある場合に有効です。

 

■どちらがおすすめ?

単発のURLを作るだけならCampaign URL Builderが手軽で便利ですが、複数のURLをまとめて作成・管理したい場合はExcelを使う方が効率的です。

メリット デメリット
URL Builder 手軽に作ることができる 一つ一つ生成する必要がある
Excel まとめて複数パラメータを生成できる 式を組んだExcelシートが必要

 

私としては、運用の柔軟さや再利用性の面からExcelでの生成をおすすめします。

 

・送信したデータをGA4で確認する方法

設定したutmパラメータをもとに、ユーザーの流入経路をGA4上で確認する方法について解説します。

 

■データ確認の手順

1, GA4にログインし、左メニューの「レポート」をクリック
2, 「ライフサイクル」→「集客」→「ユーザー獲得」または「トラフィック獲得」を選択
・「ユーザー獲得」:初回訪問ユーザーを軸にした流入経路の分析
・「トラフィック獲得」:セッション単位(行動ベース)の流入経路を確認

どちらも確認することで、より全体像を把握しやすくなります。

 

■ 表示される分類例の意味と注意点

データを確認する際、「source / medium(参照元 / メディア)」の分類に、以下のような値が表示されることがあります。

Direct → 直接流入。パラメータが付与されなかった場合に自動で分類されます。
・ユーザーがURLを直接入力
・ブックマークからのアクセス
・一部のアプリ内ブラウザ(LINE、Instagramなど)

not set → 情報未設定。パラメータやGA4タグの設定に不備がある場合に発生します。
・GA4タグが正しく設置されていない
・リダイレクトやリンク切れなどによる情報欠落

Referral → 他のWebサイトからのリンクによる流入。
・ブログ、ニュース記事
・アフィリエイトサイト
・プレスリリースなど

 

■ デフォルトで分類されるGoogle系メディア

GA4では、パラメータを設定しなくても、Googleの各サービスからの流入は自動的に分類されます。
主な分類は以下の通りです。

・google/organic → Googleの自然検索結果からの流入
・google/maps → Googleマップ上の店舗情報リンクからの流入
・google/social → Google系SNS(例:YouTubeなど)からの非広告流入
・google/ai → GoogleのAI検索やアシスタント経由の流入

表示は「参照元 / メディア(source / medium)」の列で確認可能です。

 

■ ChatGPTなど、例外的な参照元の表示

最近では、ChatGPT経由での流入が「chat.openai.com / referral」や、独自のパラメータ付きで表示されるケースもあります。これはChatGPT側が自動的にutm情報を付与しているためで、サイト側で設定しなくても流入元が可視化される仕組みです。こういったAIツールやブラウザの仕様変更により、今後も新たな分類が増える可能性があります。筆者自身も日々アップデートを追いかけながら、情報を学び続けています。

 

・GA4のパラメータ設定でよくあるエラーや注意点、課題

GA4でutmパラメータを設定する際、思わぬミスや見落としが原因で正確なデータ取得ができないケースがあります。ここでは、実務でよく起こりやすいエラー例・注意点・組織運用上の課題について解説します。

 

■ 1. URL内に全角文字を使用してしまう

UTMパラメータは、必ず半角英数字で入力する必要があります。特に日本語キーボードでは、うっかり全角で「utm_source=google」と入力してしまうケースもありますが、GA4上では正しく認識されません。この場合エラー表示はされず、流入データが取得できなくなるため特に注意が必要です。

 

■ 2. パラメータ設定ルールを組織内で統一する重要性

utmパラメータは「source」「medium」「campaign」などの構成こそ共通ですが、中に入れる値は自由度が高いため、運用ルールがないと属人的な設定になりやすいです。

・utm_medium=sns と utm_medium=social が混在
・utm_source=instagram と utm_source=insta など命名がバラバラ

こうしたブレがあると、集計・分析時にフィルタが効かず、二重カウントや集計漏れが発生します。
特にチーム・部署単位でGA4を活用する際には、あらかじめパラメータの命名規則(命名ガイドライン)を文書化しておくことが重要です。

 

■ 3. アンカーリンクがあるURLへのパラメータ設定

URLの末尾に # から始まる「アンカーリンク」がついている場合、utmパラメータの挿入位置に注意が必要です。

誤った例:
https://example.com/#section1?utm_source=○○&utm_medium=○○&utm_campaign=○○
→utmが無効になる可能性あり

正しい例:
https://example.com/?utm_source=○○&utm_medium=○○&utm_campaign=○○#section1

アンカーリンクはHTML内の特定位置へジャンプさせる要素であり、URLの最後に置かないと機能しません。
このルールは忘れやすいポイントなので注意してください。

 

■ 4. 複数の分析ツール向けにパラメータを設定する場合

GA4以外のツール(例:Adobe Analytics、外部広告レポート連携ツールなど)と併用する場合、URLに複数種類のパラメータを付けることがあります。この場合は、最初のパラメータでは「?」を使用し、2つ目以降のパラメータは「&」で連結させるというルールがあります。

https://example.com/?utm_source=google&utm_medium=cpc&adid=12345

このような構成を知らずに「パラメータを?で2回始めてしまう」と、URLが無効になることがあるため、構文上のルールを理解しておくことが重要です。
GA4のパラメータ設定はシンプルなようで、実際の運用ではミスや混乱が起こりやすい領域です。特に複数人で分析を担当する場合や、ツールを横断して使う場合には、ルールの策定とチェック体制が鍵になります。エラーを防ぐためにも、命名ルールのドキュメント化・設定チェックリストの作成などを社内で検討しておくと良いでしょう。

 

・まとめ

GA4におけるパラメータの設定は、WEB広告運用においてユーザーの流入経路を正確に把握し、施策ごとの効果を検証するために欠かせない要素です。特にutmパラメータを正しく活用することで、「どこから」「どのように」「どの施策で」ユーザーが流入したのかを詳細に可視化することができます。
本記事では、GA4の基礎から各種utmパラメータの役割、具体的な設定例、さらにはGA4上での確認方法や注意点まで幅広く解説しました。特に複数人・複数媒体で運用する場合には、パラメータ設定ルールを組織内で統一しておくことも重要です。
正確な計測と効果的な分析を行うためにも、本記事を参考にしながら目的に合ったパラメータ設計を行い、広告運用の最適化につなげていきましょう。今後もGA4はアップデートされていく可能性があるため、常に最新情報をキャッチアップする姿勢も大切です。

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