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広告効果の「見える化」の第一歩! GTM(Googleタグマネージャー)の基本と導入メリット

WEB広告を運用するうえで、「何件コンバージョンがあったか」を把握することは非常に重要です。そういった広告の効果を計測するには、ページに「タグ」と呼ばれるコードを設置して広告の配信を行う必要があります。タグを設置することによってサイトを訪れたユーザーの情報を得たり、サイト上で特定の行動をした人がどれくらいいたのかなど指定の数値を計測することができるようになります。

ですが、複数の広告媒体を活用していたり、サイト内にコンバージョン地点が多かったりすると、タグの設置・変更作業は手間がかかり、ミスも起きやすくなります。

そんな課題を解決してくれるのが「タグマネジメントツール」です。その中でも、この記事ではGTM(Googleタグマネージャー)にフォーカスしてご紹介します。

(2025年8月4日に執筆しているので、画面の操作手順が変わっている可能性がございます)

 

<目次>

・GTMとは

・GTMの基本的な用語

・GTMを導入するメリット

・GTMのはじめ方

・GTMの注意点

・まとめ

 

・GTMとは

GTM(Googleタグマネージャー)は、複数のタグを効率的にまとめて管理できるGoogle提供の無料ツールです。複数の計測タグや広告タグを、一元的に・簡単に管理ができます。

他にもタグマネジメントツールは存在しますが、GTMはGoogleアナリティクスやGoogle広告との連携がスムーズである点から、多くの企業に導入されています。

なお、GTMでできることはあくまでタグの管理のみです。タグが発火した後のデータの確認などはGTM上では行えません。Googleアナリティクスなどを活用して行いましょう。

 

・GTMの基本的な用語

 

名前 意味・説明
アカウント コンテナを管理する一番大きな枠組み。企業ごとに1つ作成する。
コンテナ タグやトリガーを管理する入れ物。計測したいサイトごとに1つ作成するのが一般的。
ワークスペース コンテナで行った変更やタグの追加をまとめて管理するところ。
タグ イベント計測 に関連する指定の数値を計測するコードのこと。
トリガー タグを発火(機能)させるための条件のこと。
変数 タグやトリガーに動的な値(状況に応じて変わる値)を渡すために使われるもの。特にトリガーでは、変数を使うことで「どんなときにタグを発火させるか」を柔軟に設定できます。
例)ページごとに異なるURLやボタンのクリックなど
バージョン コンテナ内の変更履歴。

 

・GTMを導入するメリット

管理が楽になる

一般的に計測タグや広告タグを設定するにはそれぞれの媒体などから発行されるタグを対象ページのHTML(ウェブページの作成に使われる言語)に埋め込む必要があります。

しかし、GTMであればHTMLを毎回編集しなくてもツールの管理画面上にて指定のページに指定のタグを設置することが可能になります。また、管理画面上にてタグの追加や削除など一括で管理することができるため、HTMLファイルを何度も修正する手間が省け、作業が効率化します。

 

誰でも無償で利用することが可能

タグ管理ツールは他にもございますが、料金のかかるものも多数あります。そんな中GTMであれば無料で利用することが可能です。また、Googleのアカウントさえあれば誰でも利用することが可能なため、費用をかけず、タグの管理を始めることができます。

 

簡単にタグのカスタマイズができる

HTMLにタグを設置している場合、細かい計測をするには難易度の高いカスタマイズが必要になります。HTMLの専門的な知識が必要となり、カスタマイズすることは誰でもできるものではありません。

GTM上であれば管理画面上から比較的簡単にカスタマイズ設定をすることが可能です。そのため、細かい分析をすることによって広告の改善やWEBサイトなどの改善を行いたい場合はGTMの導入をすることで効果的に運用を行うことができます。

 

WEBサイトの表示スピードが速くなる

ページを利用するユーザーへのメリットとしては、GTMを導入せずに複数のタグを設置した場合とGTMを利用して複数のタグを設置した場合を比べるとGTMを利用した方がWEBサイトの表示速度に良い影響が出やすいという点があります。これはGTMでは設置したすべてのタグを同時に読み込む「非同期処理」という読み込み方であり、複数のタグを一括で素早く実行することができるからです。一方、HTMLを直接埋め込む場合はタグを1つずつ読み込む「同期処理」が採用されているため、表示速度が遅くなる傾向がみられています。

 

バージョンを管理できる

基本用語にも記述している通り、GTMには「バージョン」というものがあり、いつどのような変更が行われたのかがわかるようになっています。そして、最新のバージョンで不具合が起きた場合には、不具合が起きる前のバージョンにすぐ戻すことができるようになっています。また、1つ前の変更だけではなく、過去に設定したものがすべて履歴として選べるようになっているので、トラブルが起きた際にすぐに対応することができ、リスクを抑えて運用することができます。

 

プレビューモードで確認ができる

GTMには「プレビューモード」という機能があります。これは、タグを本番環境に公開する前に、実際にそのタグが正しく動作するかどうかを確認できる機能です。

通常、HTMLなどに直接タグを設置する場合は、サイトのソースコードが書き換わってしまうため、テストなどなく、いきなり本番環境にタグが設置されて作動してしまいます。しかし、GTMを使えば、プレビューモードを使って事前にタグの発火状況を画面上で確認できるため、より安全かつ効率的にタグの実装確認が行えます。

これにより、誤設定や不具合を本番公開前に発見・修正できるため、ミスの予防にもつながります。

 

複数人でタグマネージャーの管理をすることができる

GTMには複数のアカウントに権限を付与できる機能があります。そのため外部パートナーやチーム内のメンバーにも柔軟に編集・閲覧権限を割り振り、複数人で作業を行うことができます。反対に特定のアカウントの編集権限を制限することもできるため、複数人でタグの管理を行う際にも人的なミスを防ぐことができます。

 

 

・GTMのはじめ方

①Googleアカウントを作成し、GTMにアクセスする

 

GTMを使用するにはGoogleアカウントが必要になるので、Googleアカウントを作成し、GTMにアクセスしてください

https://tagmanager.google.com

(すでにGoogleアナリティクスなどを使用している場合は同じアカウントでログインすることをおすすめします)

 

②GTMのアカウントを作成する

ログインができたら「アカウントを作成」をクリックします。

まずはアカウントの設定から行いましょう。(企業ごとに1アカウントで登録するのが一般的です)最初にアカウント名を決めます。企業名などが一般的です。

次に国を日本にします。

(「Googleや他の人と匿名でデータを共有」のチェックボックスはどちらでも大丈夫です。チェックを入れると匿名でGoogle、および統計的分析をする第三者(Googleパートナー)とタグの使い方や構成パターンなどの統計的な情報(個人を特定できない形)のデータを共有することになります。また、チェックを入れるとベンチマークサービスというものを利用できるようになり、他のデータを共有しているサイトとの比較が可能になります。そのため、匿名でもデータを提供したくない場合はチェックを入れずに進みましょう。)

 

③コンテナの設定を行う

コンテナは設定したいサイト一つずつを1コンテナで分けます。まずは名前を設定します。GTMでタグを設置したいドメインを入力してください。(ドメインとはインターネット上での住所のようなものであり、URLからhttps://を除いたものになります。

ex)https://assertive.co.jp/であればassertive.co.jp/がドメインになります。)

次のターゲットプラットフォームは該当するものを選んでください。選び終わると利用規約が表示されるので、「はい」を選択して、アカウントの作成は完了です。

 

④GTMをサイトに導入する

アカウントの作成が完了すると2つのコードが表示されます。表示された2つのコードを計測したいHTMLに記載し、GTMの導入は完了になります。

まず、2つのコードの上の方をコピーしてください。

そのコードをサイトのHTMLの<head>内のできるだけ上の方に貼り付けます。

次に下の方をコピーしてください。

そのコードを計測したいサイトのHTMLの<body>開始タグの直後に貼り付けて、タグマネージャーの導入が完了です。

 

この状態でタグやトリガーの設定を行うことで、コンバージョンの測定が可能になります。

 

・GTMの注意点

 

①後からGTMに切り替えを行う場合はデータの二重計測や欠損が起こることがある

もともとHTMLでタグを書き込んで使用していたり、別のツールを利用している状態からこれからのタグの管理をGTMに切り替えたいという場合に注意するべき点です。もともとHTML上に記載していたタグを削除し忘れたり別ツールを使っている状態でGTMを使用してしまうと二重計測されてしまい、アクセス数やコンバージョンが多く計測されてしまいます。

また、HTMLのタグを削除したり、ツールを削除してからGTMへの切り替えを行ってしまうとGTMで計測が開始されるまでの間のアクセス数やコンバージョン数が欠損してしまいます。

二重計測や欠損を防ぐために、テスト環境を用意して正しく移行が行えることを確認してから実行することユーザーのアクセスがない日時に移行を行うことに注意してください。

 

②権限の設定は慎重に行う

メリット⑦でも記述した通り、GTMでは権限を付与することによって複数人でタグの管理を行うことができます。しかし、権限付与を慎重に行わなければ、タグを削除されてしまったり、不要なタグを設定されてしまうなどのリスクもあります。

  • アクセス権なし:アカウントにコンテナは表示されません。
  • 読み取り:コンテナが表示され、設定されているタグ、トリガー、変数を閲覧できますが変更することはできません。
  • 編集:ワークスペースを作成したり編集したりできますが、バージョンを作成したり公開したりすることはできません。
  • 承認:バージョンとワークスペースを作成したり編集したりできますが、公開することはできません。
  • 公開:バージョンとワークスペースの作成、編集、公開を自由に行えます。

https://support.google.com/tagmanager/answer/6107011 (参照元)

上記がアクセス権限の種類と概要です。リスクを考慮しながら慎重に権限付与を行いましょう。

 

まとめ

本記事ではGTMの概要やGTMのアカウント設定、注意点などについて解説をしました。

GTMはタグの管理・設置・変更を簡単に、そして安全に行えるツールです。

タグ設定を始めようとしている方、「タグの管理が大変」「設定変更に時間がかかる」といった悩みを抱えている方は、ぜひGTMの導入を検討してみてください。

 

ここから先の具体的なトリガーの作成やタグの設定手順については次の記事をご覧ください。

Googleタグマネージャー(GTM)とは何か?【広告運用者必見】

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